経営おせっかい情報

SWOT分析でビジネスチャンス!?

皆さん、SWOT分析をやったことはありますか?

「SWOT分析ってよく聞くけど全然役に立たないよね」

なんて言っている人がいたら、たぶんやり方を間違っています。

今日は正しいやり方を覚えて、ちゃんとSWOT分析を使って経営戦略に生かせるようになってほしいと思っていますので、最後までご覧ください。

なぜSWOT分析?

まず、現状を把握することができます。そして、ビジネスチャンスがどこにあるかを掴むことができます。さらに、自分たちの会社のどこに課題があるかということも見えてきます。それが見えてくることによって、今後の経営戦略を練ることができます。

これがSWOT分析です。

SWOT分析とは?

「SWOT分析って初めて聞く」、「ちょっとやったけど忘れてしまった」という方も多いと思いますので、簡単なおさらいをしていきます。

SWOT分析は、プラス要因・マイナス要因・内部環境・外部環境、この4つの要因を組み合わせて考えます。

プラス要因の内部環境は 「Strength(強み)」
マイナス要因の内部環境は「Weakness(弱み)」
プラス要因の外部環境は 「Opportunity(機会)」
マイナス要因の外部環境は「Threat(脅威)」

この4つの頭文字で「SWOT」といいます。

この分析の順番が間違っているということが多いのです。

多くの方がSWOT分析をする際に、まず自分たちの会社の強みや弱みを考え出すんです。自分の会社はここが強い、ここが弱いというのを考えてから、そのあとに外部環境を考える方が多いのではないでしょうか。

それは逆なんです。

まず外部環境から分析していかなくてはなりません。

なぜかというと、外部環境が分かってはじめて、自分たちの強みがあるか、弱みがあるかということが分かってくるわけなんです。

簡単にいうと、例えば、今まで自分たちが30年ぐらい前から600円で牛丼をやっていたとします。30年前だったら牛丼600円って安いじゃん、すごくいいお店だね、ということで、強みであったのかもしれません。

しかし、今、600円の牛丼って少し高いですよね?

大体みんな300円~400円くらいで牛丼を食べるじゃないですか。大手チェーン店の牛丼屋さんでは大体そのくらいの価格帯だと思います。

そうすると、もはや牛丼の600円という価格設定は強みではないですね。

それと一緒で、周りの環境で自分たちの強みは変わってくるし、弱みも変わってきます。ですから、まずは周りの環境からやっていく必要があるのです。その順番を間違えるから意味の分からないSWOT分析になっているんです。

では、外部環境はどのように分析するのでしょうか?

外部環境の分析

まず自分たちに近い目線、ミクロ分析でいうと、3C分析というものがあります。これは何かというと、

・自社環境(Company)
・市場環境(Customer)
・競合環境(Competitor)

この3つを分析するものになります。

これがすごく大事な分析で、この3C分析も、ただ自分たちがあって、ライバル会社がどこにあって、お客さんは誰だというわけではなくて、ターゲットを明確にして、そのターゲットは誰か、そのターゲットは何を求めているのかというところまで明確にしていきます。

当然、お客さんが重視するものというのは変わってきます。

例えば、安くてうまい牛丼が食べたいのか、高級そうな牛丼が食べたいのかとか、ニーズが変わってくるわけです。

何を決定打として来るかも違います。お店が近いから来るのか、その時間帯にやっているから来るのかとか、そのお客さんによってキーバイングファクター(KBF)、購入決定要素が変わってくるわけです。

お客さんによっては、「時間でここに来た」、「近いからここに来た」、「高級そうだからここに来た」など、みんなお客さんによって違います。

ターゲットがどこを目指しているのか、そして、自分たちの競合はそこのどこに重きを置いているのか、どこに強みがあるのかというのを分析するんです。そうすると、周りの競合の状況やニーズなどが見えてくるわけです。

今度はそれだけではなく、「マクロ」といって、もっと社会全体的な分析をします。

それを「PEST分析」といいます。

・政治(Politics)
・経済(Economy)
・社会(Society)
・技術(Technology)

コロナ渦のせいでそもそも外食産業が苦しいとか、経済が潤っているからみんな外に食べに行くとか、技術があるから人がいなくても物が作れるお店が出てきたとか、

そういったものを分析しながら、今の自分たちの機会・チャンス、そして、脅威は何なのかということを見ます。そういったものを見たなかで、自分たちの強みは何か、高級でおしゃれな牛丼なのか、それとも、がっつりと食べられる肉ごたえのある牛丼なのか、ということであったり、弱みは値段の高さなのか、値段の安さなのかといったことを考えます。

弱みも状況によっては変わってきます。
値段が安いから弱いわけではないんですね。自分のターゲットが、デートで使いたいようなお店、接待で使いたいようなお店だったら、300円の安い牛丼の店なんて連れて行けないわけです。それは逆に弱みになってしまいますね。そこもきちんとターゲットを明確にしたうえで弱みと強みを考えるということが大事です。

内部環境分析

先ほど、外部環境に加味して判断する必要があるというお話をしましたが、内部環境の分析には「4P分析」というものがあります。

・商品(Product)
・価格(Price)
・流通(Place)
・販売戦略(Promotion)

この4つを見ていきます。

自分たちの商品が何なのか、価格は高いのか安いのか、場所はいい立地なのか郊外なのか、そういったことを見て、それが自分たちのターゲットの購買決定要素と組み合わせて強みになるのか弱みになるのかというのを判断します。

そこでやっと「SWOT分析」ができるのです。

そこで終わると、結局羅列して終わってしまいます。だから、羅列したけど意味なかったよ」なんてことになってしまうんですね。

本来はこのあとにクロス分析をする必要があります。

では、クロス分析とは何でしょうか?

クロス分析とは?

先ほどの、強み・弱み・機会・脅威を組み合わせて考えます。するとどうなるでしょうか?

強みと機会で考えてみます。この2つを持っているものは何かというと、積極的に展開する、自社の強みを生かして強化拡大できるものになります。

逆に、弱みと機会を組み合わせると、弱点を強化することになります。チャンスがあるのにそこが弱いから弱みを補ってそこを強めていこう、チャンスに乗りましょうということになります。

脅威と強みの場合は、差別化とか、脅威があるから縮小していくという戦略が考えられます。

最後に、弱くて脅威がある場合。そこで戦ったら負けです。だから、そこの事業は撤退していこうとか、そういうふうに組み合わせて考えることができます。

この優先順位で大事なものは、強みと機会が合わさった部分(積極展開)です。そこを重点的にやっていくことを優先的に進めていくことがおすすめです。なぜかというと時間がかからないからです。強いからすぐにできますよね。

そのあとに強みと脅威、もしくは弱みと機会、どちらを進めていくほうがいいかを考えて行います。撤退はすぐできるので撤退していってもいいでしょう。

ここでさらに優先順位をつけてどこから手を付けていくかということを考えます。全部やろうとしても仕方がないので、まず優先順位をつけて、利益を確保してやっていきます。

SWOT分析活用ポイント

目的の明確化
目的を明確にします。SWOT分析というのは当然自分たちの売上の計画でもそうですし、店舗ごとの計画でもそうですし、人材の活用の仕方などいろんなものに流用できます。例えば、人材の活用であったら、人材を成長させたいというときに、自分たちには若くてやる気のある人材がいるけど講師がいない。しかし、外部環境としては、安くて学べるYouTubeなどの動画教材があると。それだったら若い人に動画教材を見せてやっていこうよと、自分たちで教える人を育てる前にそういったものを利用してやっていったほうが早いと、そういったことが見えてくるわけです。

ですから、「目的はなんなのか」ということを明確にしておかないと全然違う方向に進んでしまいますね。自分たちの人材の弱みや強みばかり出しているけど、本当の目的は「売上を上げたい」となると、ちょっとずれてしまいます。だから、まず目的の定義を先にみんなで定義します。自分でやる場合も同様です。

前提条件を整理
前提条件として、「何をやっていくのか」、「どういうところの話をするのか」という部分をさらに狭めていくということです。

広い視野で行う
社長1人でやっていると、どうしても凝り固まってしまいます。「自分がこう思っている」ということが全て正義だと思ってしまうんですね。それをやってしまうと結局何も変わりません。「今のままでいいじゃん」という話になりやすいです。

そうではなくて、何人かで会社をやっている、いろんな人がいるというのであれば、営業の人・広報の人・製造の人、いろんな人を組み合わせて考えると違う意見が出ていいと思います。「自分たちの会社の強みだと思っていた部分が強くなかった」とか、「外部は今こういうことになっている」とか、思わぬ強みが出たり、さまざまな情報が出てきたりするわけです。ですから、どんどん情報として濃いものになっていきます。

「1人でやっているから会社でそんなことはできないよ」

という方は、お客さんに聞くという手もあります。

アンケートを取って、「うちの会社の製品のどこが良かったですか?」とか、「うちの会社で悪かったところは何ですか?」とか、「どうして他社を選んだんですか?」、「どうして自社を選んだんですか?」とか、いろんなアンケートがあるわけです。そういった情報をどんどん入れて、それを付け加えて社長が考えるというやり方もあります。

メリット・デメリット理解
メリットとしては、いろんな漏れがなくさまざまなことが浮かんでくるので、会社・事業・店舗の全体像が分かります。

デメリットとしては、「弱み」、「強み」など極端に分類しなければいけないので、どっちか判断に困ったときに、反対にいってしまう、間違えて分類してしまうということもあるので、その辺のメリットデメリットは理解しつつ使う必要があります。

事業全体、商品ごと、店舗ごと、取引先ごとに分けて分析するのもOK
最初に目的や前提条件を明確にして、それぞれに特化して分析すると、しっかりとした取るべき戦略が見えてきます。

社外の動向を把握し、仮説を立てる
まず、自分たちの弱みや強みを見るだけではなく、外の状況によって自分たちの強みや弱みをどうやって生かすかという話なので、「外がメイン」であるという意識を持って、把握する、しっかり仮説を立てて進めていくことが大切です。

この活用のポイントを押さえてSWOT分析を有効に使ってください。

まとめ

様々な角度から事業の現状を把握できるのが「SWOT分析」。これは昔からあるツールです。昔からあるということは、今まで多くの人にとって必要なツールであるということです。

今後のビジネスチャンスはどこにあるのか、そして、どのような戦略を立てたら良いかを知るための重要な分析ツールです。

「知っているけどできていない」

ということはたくさんあります。

でも、この「SWOT分析」はできると有用なものになります。ということで、まず、自分たちの会社、自分たちの店舗でこの「SWOT分析」をやってみてください。
もしやってみて分からないことがあればインターネットでググってもいいし、私に聞いてもいいし、皆さんの税理士さんに聞いてもいいです。

いろんな人の意見を聞きながら分析して、みんなの経営に生かしてもらえればと思います。

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