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税務調査省略?書面添付制度とは?

今回は、「添付書面制度」とは何か、そして、そのメリットやデメリットなどについてお話しをしていきます。

「書面添付制度」とは?

「税務調査って嫌だなあ」という方は多いんじゃないでしょうか?特に悪いことしてるわけでもないのに、税務署の職員が3日間、長ければ1週間もいて、「あなた悪いことしてるんじゃないの?」みたいな感じで聞かれたりして、嫌な思いをされた方って結構いらっしゃると思うんです。

そんな税務調査を省略する制度があったらいいなと思いますよね?

それが、この「添付書面制度」というものになります。

これは、いわゆる税務調査を省略される制度になります。ただし、当然100%省略されるものではありませんので、「添付書面制度をやってるから、うちには絶対に税務署は来ないから何をしてもいいんだ」と思われている方はこの制度は向いていません。

この制度は基本的には顧問税理士が行います。通常、会社が契約を結んでいる税理士が、申告書の作成、税務署への提出を行います。その後税務署が定期的調査をしに行くこととなります。

「添付書面制度」を利用している場合、税務署は会社に調査に向かう前に、まず、「この会社の売上や仕入れの台帳を持ってきてくれ」とか、「ここの数字について教えてくれ」など、あらかじめ税理士に聞きます。それに対して税理士が資料を提出したり、説明をしたりして、税務署が「この会社はしっかりやってるから問題ない」と判断した場合は調査が省略されます。

「添付書面制度」のメリットとは?

当然、この「添付書面制度」のメリットはその調査の省略です。さらに「添付書面制度」を利用することによって、税務調査期間が短縮されること多くなります。

加えて、添付書類を作成するにあたって、経営者自身が会社の中身をより客観的にしっかりと把握することにもつながりますので、会社や経営者の成長にもつながります。また、申告が間違っていた場合でも、加算税が免除される場合があります。

もう1つのプラスアルファとして、金融機関に対する信頼性が向上します。場合によっては、「添付書面制度」と月次監査をやっているところは金利を安くしている金融機関もありますし、「添付書面制度」を利用してしっかりとした申告をしている方に関しては、融資が通りやすくなる場合もありますので、税務署だけではなく、さまざまな信頼性が上がる可能性があります。

「添付書面制度」のデメリットとは?

まず、書面作成にかかる時間です。書面は税理士が作りますが、当然、税理士はその会社の中身をしっかりと確認しなければなりませんので、社長や経理の人に対して、「これはどうなってるのか?」とか、「この数字は何ですか?」とか、「仕入れはどうなっていますか?」とか、「在庫の確認をさせてください」など、会社に対してさまざまな確認をするわけです。ですから、そういった労力や時間が割かれることがあります。

会社としても、しっかりと月次で処理する必要があったりと、レベルの高い経理が求められます。さらに、税理士に対するコストアップも必要になります。

当然、これをやるために、税理士は毎月その会社に行く必要があり、その会社の経理が間違ってないか、不正はないなどをしっかり確認する必要があります。作成する書類は公的な証明をするものになりますので、不備があれば会社の信用問題にも関わります。

そのため、手間も時間もかけて作成されるということで大体コストアップされます。通常の会社であれば、大体、月の顧問料にプラス2万~3万のアップになることが多いようです。

書面に記載される内容は?

では、書面にはどんなことが記載されるのでしょうか?

記載される項目は4項目です。どのような項目について、どのような資料に基づいて、どの程度確認検討して判断したのか、そして納税者からどんな相談を受けたか。この4つが主に書かれることになります。

納税者が税理士に相談した内容も基本的にはそこに記載されます。「納税者はこんなふうに考えています」とか、「この税金払いたくないな」みたいなことも書くわけです。基本的には正直に全部書くことになります。

 

では、主にどんなことが記載されるのかというと、売上や仕入に関して、

 

「どういうときに売り上げを立ているか」

「どういったところから仕入れをしているか」

「計上基準は検収時か、引き渡し時か」

 

など、そういった基準についても記載します。そのほか、

 

「棚卸資産はどういったものがあるのか」

「どういった管理をしているのか」

「大規模な修繕は何に使ったのか」

「特別な収益や費用はどういったものだったのか」

 

なども記載されます。

 

借入や交際費なども記載の対象です。交際費の相手の記録も必要になります。自分で食べたご飯だけではなく、「どんな人と食べたか」、「どんな人にプレゼントをあげたのか」など、しっかりと管理しているのかというところまで含めて書いていくことになります。

まとめ

「税務調査が省略できる」というところが一番のメリットになります。

ただし100%ではありません。しかし、金融機関との信頼関係が強く結ばれる可能性が高いです。そして、経営状況の把握や加算税の免除なども期待されます。メリットは結構ありますよね。

自分の会社を中からも外からもしっかりさせたい方や、「この会社はしっかりと経理をやっているな」、「ちゃんと数字の管理をしてるよね」というふうに見られたい方、もっと発展させていきたい方、「うちの会社はそこまでしなくてもいいかな」と思っている方など、さまざまな考えをお持ちの方がいらっしゃると思います。

コストや手間のかかるものですので、自分たちの会社にとって必要かどうか一度検討してみてください。

ただし、この制度はまだ1割の会社しかされていませんので、税理士によって対応できる場合とできない場合があります。そのあたりも考慮してこの「添付書面制度」の利用を検討してはいかがでしょうか?

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