経営おせっかい情報

準備はできてる!?インボイス制度

皆さん、インボイス制度の準備はできていますか?

「消費税が関係ない事業者だからインボイスなんか関係ない」
「インボイスって初めて聞いた」

などという方がいらっしゃると思いますが、皆さんがもし消費税が関係ない事業者でも、実はインボイスのせいで消費税を払わなくてはいけなくなってしまったりとか、その分何かを負担しなければならない可能性があります。

インボイスというもの自体を知るためには、今の消費税の制度をしっかりと知って、そのうえでインボイスがどう変わっていくのかを見ないと、全く違う方向に誤解をしてしまう恐れがあります。

今日はその辺を含めて、もともとの消費税の制度、そして、インボイスで何が変わるのか、何が必要になってどういう影響が出てくるのかということについて説明をしていくので最後までご覧ください。

消費税の仕組みって?

そもそも、今の消費税の制度がどうなっているかというと、例えば、私たちがスーパーに行って1万800円分お買い物するとスーパーをそれを受け取ります。1万800円の中には800円の税金があるわけです。この800円、税務署に払うんじゃないの?と思うかもしれませんが、実は、スーパーがまとめて税務署に支払う形になっています。

しかし、スーパーもさまざまなところから仕入れをしていますよね。

例えば、工場に7,560円支払い、560円消費税を支払ったとします。その場合税務署に払うのは、預かった消費税800円と支払った消費税500円、これを合算させた240円になります。

これが今の消費税の原則的な制度です。

インボイス制度とは?

正式名称は「適格請求書等保存方式制度」というすごく長い名前です。この文字を見てみもらうと、「適格請求書等保存」と書いてあります。ですから、今後、適格請求書の保存が仕入税額控除の要件になります。仕入税額控除をするためには適格請求書等の保存が必要だよ、という制度です。

「仕入税額控除って何?」
「聞いたことない」

という方はきっと多いですよね。

 

では、仕入税額控除とは何なのでしょうか?

そもそも仕入税額控除って?

言葉が聞き慣れないだけで、これは、先ほどお話した合算のことです。預かった800円から支払った560円を引くこと。この引くことを仕入税額控除といいます。

では、インボイスがない、きちんと適格請求書を保存していないとどうなるのでしょうか?

 

インボイスがないと…?

合算できなくなります。ということは、先ほどの800円を全額払わなければならない状況になります。ですからしっかりと保存をする必要があります。

売り手側が発行するインボイスに記載された税額のみ仕入税額控除OKとなります。ですから、売り手側がインボイスを発行しなければいけません。請求側はインボイスを発行する、そして、支払い側はそれを保存する。それがセットになります。これは2023年10月から開始されます。

問題なのは、この「適格請求書」を発行できるのは誰かということです。
誰でも自由に発行できるのでしょうか?

適格請求書発行事業者登録制度

適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行の登録をした適格請求書発行事業者のみとなります。こちらは2021年10月1日から申請ができます。そもそもこれは、課税事業者でなければ登録ができないんです。ですから、皆さんがもし免税事業者だったら、これには登録できません。ということはどうなるのでしょうか?

先ほどの例でいくと、1万800円をスーパーが預かりました。そのスーパーが7,560円分払って仕入をした業者がいたとします。その業者が免税事業者だとしたら合算ができず、800円をそのまま払わなければなりません。

では、先ほどの消費税の560円は何?ということになりますね。スーパーからしてみれば、消費税が無いんだから560円安くしてよと言われてしまう。もしくは、面倒くさいから取引しない、そういう業者としかうちは取引しませんと言われてしまうわけです。

そうなると、結局免税事業者の人は何かしら割を食う可能性が高いです。値引きをさせられるか、取引自体をやめられてしまう可能性が出てくるというのがこの制度なんです。

ですから、この制度に対してどういった立ち位置を取っているのか、課税事業者になっていくのか、それとも値引きをどこまで容認するのか、どういった提案をするのかということを考えていく必要があります。

インボイスの記載事項

①適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)および適用税率
⑤消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の指名または名称

この6つをきちんと書かなければなりません。

例えば、きちんと消費税を払っている事業者だったとしても、こんな場合はどうでしょうか。

よく居酒屋とかであるじゃないですか。白い紙に、「1万5,000円、10月1日」みたいな。ただそれだけをポンッてメモ書きみたいに渡すやつ。

それはNGです。

きちんと相手の名前と自分たちの名前を書き、登録番号も書いて、課税価格はいくらで消費税はいくらかということを書かなければなりません。今まで通りやっていたらその請求書は通らなくなるわけです。課税事業者であっても、そこをしっかりと対策をしていかなければなりません。10月を過ぎてから「どうしよう」となってしまっては遅いので、今のうちから対策をしていく必要があります。

経過措置

このインボイス制度には経過措置があります。2023年から開始となっていますが、当面は経過措置が取られる予定ではあります。

どういった措置かといいますと、

2026年9月30日までの3年間は、免税事業者からの仕入れでも80%分の消費税は控除できます。
2029年9月30日までは50%分の消費税が控除できます。

ですが、これって結構面倒くさいですよね?

その会社の相手先の経理担当者や、実際には、80%だといっても相手の会社にとっては20%は損になってしまうわけですので、そこに対して営業マンが「いくらにしよう」という折衝をしなければなりませんですよね。

そうなってくると、大きな会社が相手の場合は面倒ですので、「そういう会社は相手をしません」と言われてしまう可能性があるわけです。免税事業者の方でしたら、皆さんが取引をしている相手がどういう考えを持っているのかということを様子を見ながら、自分たちがどういうふうに今後舵取りをしていくのか、自分たちが率先的に「いくらだからどのくらいになります」としていくのか、それとも相手に全部任せるのか、相手がそういった取引をしないというのであれば自分も課税事業者になるとか、その辺を綿密に考えていかなければなりません。

当然、自分たちが課税事業者であったとしても、相手によっていくらかカットするのかどうかということを検討して話していかなといけません。急に「来月から下げますよ」と言っても、相手に「嫌です」って言われてしまうかもしれません。そうすると、仕入先、外注先が無くなってしまうかもしれないので、今のうちからどうしていくのかという準備をしていく必要があります。準備して周知していくということが大事です。

今はコロナの影響もあって消費税もどうなるか分かりませんが、一応こういった予定になっています。

今回はインボイスの概要を説明しました。
これからどうしていくかは対策を立てていかなくてはいけませんし、この講座でもこれからのインボイスについての情報をどんどん紹介していきますので、ぜひこれらもチェックしてくださいね。

 

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