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売上はあるのに利益が出ない!?損益分岐点簡単解説

売上が上がっているのに全然利益が出ないときってありませんか?

実は、「損益分岐点」を知らないからそんなことになっている可能性があります。
経営者だったら損益分岐点を知らなければ会社が危ない状況になってしまうかもしれません。

売上を上げても利益を上げなければボランティアと一緒になってしまいますよね。
「どこで利益を上げるのか」のポイントになるのが損益分岐点です。

本日は損益分岐点についてお話していこうと思います。

損益分岐点とは?

「利益がゼロの売上」、もしくは、「損も得もしない金額」が分かる点が損益分岐点です。

それは一体どういう状況なのかというと、

売上=費用(変動費+固定費)

売上が費用と同じ金額であるということです。

損益分岐点の求め方

損益分岐点を求めるときは、費用を「変動費」と「固定費」の2つに分けます。「変動費」と「固定費」を初めて聞いた人もいるかもしれません。かくいう私自身も自分で経営するまで損益分岐点のことはあまり分かっていませんでした。ですが、自分で経営する際に損益分岐点を分かっていなければ、どれくらい売り上げを上げたらトントンになるか、それ以上売り上げたらどれくらい利益が出るかということが分からないのです。

「よく分からないけどとりあえず売り上げを上げよう!」なんて状態で経営をしていたら潰れてしまいますよね。きちんと目標を定めて、そのためには何をしていくべきかを逆算で経営をしていかないといけません。

変動費とは?
主に原価になります。売上が上がると仕入が上がり、変動費が上がります。
例えば、1個50円のものを仕入れて100円で販売したら、売上が100円上がるごとに変動費が50円上がっていくということになります。

固定費とは?
建物の賃借料や、水道光熱費、人件費などになります。売上がなかったとしても毎月支払わなければいけないものですね。

自分の会社の損益分岐点を知るためには、変動費と固定費をまず分けなければなりせん。

例えば、「交際費は変動費」なのかといった場合。

1回交際したら変動費がいくら上がると決まっていれば変動費ですが、とりあえずいつかの将来のための交際、というような漠然としたものであれば変動費ではなく固定費であるという分け方になります。

このように、まず自分の会社の経費を分ける作業から始めることになります。

売上と変動費と固定費の関係とは

こちらの図をご覧ください。

右にいけばいくほど売上が高くなり、上にいけばいくほど利益が上がっていくようになっています。
まず、固定費は毎月かかるものなので一定ですね。変動費に関しては売り上げが右にいくごとに少しずつ上がっていきます。斜めの線が入っていますが、この部分が売上です。右にいけばいくほど売上は上がり、変動費は緩やかに上がっていきます。固定費からだんだん変動費である費用が重なっていくのと、売上がどんどん上がっていって追いつくところが損益分岐点になります。どこまで売上が上がったら自分の会社はトントンになるのか、それ以上になれば利益が出るのかということが損益分岐点を勉強すると分かるわけです。

では、損益分岐点の売上はどうやって求めるのでしょうか?

損益分岐点の計算の仕方

「変動比率って何?」
「率とかイヤ!」

と思う方もいるかもしれませんが、頑張って読んでいきましょう。

変動比率とは変動費を売上で割ったものです。

 

具体例を挙げてみましょう。

・売上高1,400万円
・固定費500万円
・変動費700万円

 

上記のような会社があるとします。その場合の変動比率がいくらになるかというと、まず、変動費が700万ですので、それを売上の1,400万で割ります。そうすると、0.5になり、これが変動比率となります。

損益分岐点の売上高は、さきほどの公式に当てはまると、

このように、1,000万までいけばこの会社はトントンになる、1,000万円以上売上を上げれば利益がどんどん出てくるということを表しています。
ですから、営業の会議などで「1,000万は売上を上げる」ということを目標にして、そのためにはどういうふうに何をすれば1,000万円まで上がるのかということを考えていくわけです。

「よく分かんないけど、とりあえず売上を上げてこい!!」

なんてことを言ったって、目標がなければ人間って頑張れないものです。
たとえ営業マンがいなくて社長がやるにしても、モチベーションが上がりづらいんですね。その数字には根拠があって、何をどれだけやればいいのかというのが分かっていたほうが絶対いいんです。ですから、損益分岐点をきちんと把握することが必要なのです。

損益分岐点を知るメリットは?

会社の経営状況がわかる
なぜ今利益が出ていないのか、あとどれだけ売上があれば利益が出るのかということが分かります。ただ売り上げを上げればいいというわけではありません。売上は変動費と対になって上がっていきますので、「実は原価率が高い」なんてことが分かったりするわけです。

会社の目標設定にも役立つ
「今の売上ではだめだからここまで上げていこう」、「変動比率をもう少し下げて、今の売上でもトントンになるようにしよう」とか、そういった目標を持つために役に立ちます。

売り上げ減少や値下げ計算にも
とりあえずトントンにするには目標をどこに設定すればいいのか、そこから利益を出すにはいくら値上げすればいいのか、値下げすればいいのか、そういうことが分かってきます。

どうしたら利益は上がる?

これは実は簡単です。損益分岐点を下げれば利益は上がるんです。

損益分岐点を下げるには、「変動費を下げる」、「固定費を下げる」ことが必要です。費用が下がれば、同じ売上でももう少し前の段階で利益になるんです。

もう1つは、「売上高を上げる」ことです。変動費を下げて売上を上げるならいいかもしれないですが、ただ単に売上を上げても薄利多売で売上を上げてしまうと変動費が上がってしまうので意味がないですよね。

値上げをして売上を上げるのか
量を売って売上を上げるのか
変動費も上げてそれ以上に売上を上げるのか

これは会社の経営の戦略です。
ここまでを計算するためには損益分岐点が必要になるんです。

これを読んだ皆さん、自分の会社の損益分岐点はどこなのか。まずそれを知ってください。自分でもよく分からない場合、税理士がついている場合は、どこが損益分岐点で、どうしていったらいいかを聞いてみてください。そうすると、例えば、「ここまでいけばなんとかトントンになる」、「値上げを5%すると利益が5倍になる」などのアドバイスがもらえます。そういったアドバイスを聞いてこれからの経営に生かしていってください。

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