経営おせっかい情報

個人事業主 美容院の危ない資金繰りを税理士が解説します!

今日は美容院=個人事業主の話をしていきます。

個人事業主というのは少し怖いところがあるんです。

何が怖いかっていうと、個人事業主は会社や事業の利益とは別に
自分の生活費をそこから出さないといけないですよね?
そうすると、会社だけ見てても気づきにくいのですが
実はうまく資金が回っていなかったり利益が出てないということが
ありますので、そのことについてお話します。

美容院の個人事業主の資金繰りは怖い!

美容院が手遅れになりやすいという理由も実はありまして
それはやはり先に現金が入ってくるということです。
美容院はチョキチョキ髪を切れば、その日にお金が入ってきます。

ですが、そのカットしてくれるスタッフの人件費やカラー剤等
そういったもののお金をいつ払うかというと翌月10日であったり
翌月20日、遅ければ翌月30日なんですね。

ということは、後で支払いが来るわけです。
この点は、ちゃんと経営が分かっている人であれば
全然余裕なんですが、事業を始めたばかりの人や、初めて独立を
する時というのは、今までそもそも経営するということをして
こなかったので、そういう人にとっては、いきなりは難しいんですよね。

自分も婚活パーティー等をやっていますが、先にお金が入ってきます。
それで、結構ウハウハになった気分になるんですけど、入ってくる
お金よりも以外に出ていくものもあるので、そこまで残らないなと
いう状況です。これだけ入って来てもこれだけ出ていくから
利益はこれくらいだなっていうのが僕はわかりますが
そういうのに慣れてない人っていうのは、やはり難しいんです。

例えば、どんな感じになるかというのを表でまとめてみました。

(★表を挿入)

今回消費税は分かりやすいので税抜きで表示しています。
消費税は支払われているものとして考えてください。

この場合、売上が10日間で50万円ですので
ひと月30日で売上が150万円です。

人件費が毎月60万円 その他の費用が30万円 家賃が20万円
原価が1.5割で22万円 生活費が30万円です。

毎月30日にいろいろ引き落とします。
人件費は毎月20日に引き落とします。

この人が4月1日に開業した場合、最初はお金が毎日入って来ます。
仮に手元に0円しかないとしても、10日で50万円なので
4/20の時点では手元に100万円あるんです。
4/30で前払い家賃が20万円引かれるんですが
それでも130万円手元にあります。

5/10になると、180万円また手元にあります。

もともと0円しかなかった人が、急に180万円持つと、
あ、俺けっこううまくいってるな♪みたいに思ってしまいますが
ただ、これが怖いんです。
例えば、5/20になると60万円支払わないといけない。
5/30になると、また今度は102万円引かれて
118万円になってしまいます。

このように、どんどんやっていくと、毎月1か月経つごとに
12万円ずつお金が減っていくんです。

ですが、手元に100万円以上ある時がずっと続くために
まあそんなに悪くないんじゃないかな~最初ゼロだったし
それに比べたら今100万円以上あるし、悪くないんじゃないかなって
思ってしまいます。

それがやはり怖いところで、だんだんこの状況でやっていくと
翌年の1月末になると、手元に22万円しか残らないんです。

あれ、ヤバいぞ?と思いながらも2月が過ぎて行き
ついに3/30には支払いができなくなってしまいます。

毎月12万円ずつ足りなくなっていくので、その頃になると
支払いができないんです。これがやはり怖いところです。

美容院等は先にお金が入ってくるので
うまくいってると思うんですね。

実際に個人事業主の場合は、自分の人件費も入っていないので
利益が出ている気がするんです。利益が出ているから
なんとかなっているんだろうと思いますが
やはり実際には足りなくなってしまう。

それで、じゃあ3/10になって、なんとか今から集客に
お金をかけようと思ったとしても、もう間に合いませんし
そもそもかけれるお金がない状態になってしまいます。

一ヶ月で、もう翌月末にはお金がないから、1/30に考えて
3/30までにお金を用意しなきゃいけないって状況です。
他に使ったら、そもそも2/28には支払いができない状況に
なってしまうので、やはり、お金があるうちに、何かしら
投資をするでもいいし、人材の教育をするでもいいし
経営の改善を図らないといけないんですね。

こういったところが、美容院や個人事業主の
資金繰りの怖いところです。

利益が出ていて、なんとなくお金がうまく回っていると
思ったとしても、実はどんどんどんどん蝕まれているんですよ…
お金が。

対処法

では、どうすれば良かったのか?ということですが、対処法として
まず毎月の損益をしっかり把握するということです。

この場合であれば18万円しか利益が出ていないので、自分の生活費が
30万円だとしたら、もう少しなにか利益が出るようにしたり
そもそも18万円の生活費に抑える等そういったことをするんです。
あとはしっかりと投資もしてください。
それから、毎月の資金繰りをしっかり把握することも大切です。

これは会社のお話でも話しましたが
個人事業主の場合は、税金や生活費を含めてやってください。
個人のお金が尽きたら事業もできなくなっってしまいますので
個人の生活費も含めてください。
すごく貯金がいっぱいあるって方は別ですが、貯金と事業が結構
同じぐらいのレベルになってしまっている方は、自分の生活費も
含めて考えてください。それを考えた上で、今のうちに投資を
しなきゃいけないとか、今のうちに人件費見直さなきゃいけない、
今のうちに集客方法を考えなきゃと手を打たないといけません。

これが遅くなればなるほど、打てることが出来なくなっていきます。
お金の余裕がなくなり、時間も余裕も無くなってからでは遅いので
とにかくまだお金があるなと思っていたとしても、毎月しっかりと
損益を立てて、資金の計画を立てて、そして投資をしていく。

時間なりお金なり教育なり、いろんな投資をしていくことが大事です。
現状から予測を立てて投資する、それが経営ですから
是非とも個人の事業主であれば、まず自分の生活費を含めて
少し考えてみてはいかがでしょうか?

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