今日はB/S経営のススメということで
B/S(貸借対照表)を使った融資や経営のポイントを簡単に解説していきます!本当に初心者編です!
多くの経営の初心者の人は、P/L(損益計算書)は結構見るんです。
利益が出ているから見るわけで、売り上げから費用を引いたものが利益なので、わかりやすい。
そのため、P/Lばっかり見るんですが、実は経営においてはB/Sっていうのがすごく重要になってきます。
重要なことは、そのB/Sの資産に自分の持ち手に対して
どれくらいの運用率ができているかということです。
株だったら、100円投資したら1%配当する、1%利益が出ているとか、逆に株100円を買ってそれが値上がりして120円で売ったとしたら20%の利率が出ているということです。
事業というのは基本的には投資です。資源を投資していかにリターンを得るかというのが大事ですので、まずどれくらいの運用率が出ているのかということが一つのポイントになります。
もう一つは融資や財務の安全性というポイントがあります。
この会社って結構お金がなくて危ないよね、というように、どのようにしてその危険性を見るのかという簡単なポイントをこれから説明させていただきます。
Contents
貸借対照表とは?
まず貸借対照表とは?についてですが、企業の資金の調達先と資産の状況を表しています。
また、企業のお金のやりくりが視覚化されているものが貸借対照表です。つまり、貸借対照表がわかると、財務の安全性を評価できるようになります。この会社が安全なのかどうなのか、その会社の収益性というのも改めて分かって来ます。
貸借対照表をすごくシンプルに分けると3つに分けることができ
「資産」「負債」「純資産」の3つに分かれます。
資産というのは、手持ちの物ですが、他の見方をすると
集めたお金をどうしたのか、お金をいっぱい集めて来て
それを何に使っているのかということです。
何に変えているのか、何に投資しているのかというのを見ます。
負債と純資産については資金の調達のことです。
資金をどこから調達して来のたか、どこからどのぐらいのお金を集めたかを見れるのが負債と純資産です。
負債は他から借りてきているお金で、純資産とは自分で用意したお金です。
では、さらに貸借対照表の資産を区分していくと、資産の大きな区分として
「流動資産」と「固定資産」に分かれます。
流動資産というのは、すぐに現金化できるようなもの、短期(約1年以内)で現金ができるようなものです。
具体的には現金や預金・商品・売掛金・短期貸付金・有価証券です。
商品は基本的には1年以内には売れるでしょう。
売掛金も誰かに売れば何か月かすればお金が入ってきます。
短期貸付金は1年以内に返してくれる貸付金です。有価証券も基本的には売買したら自分の手元に入ってきます。
この流動資産というのは、本当に流れるようにすぐ動くので流動資産と言うんです。
逆に固定資産というのは、建物・工具器具備品・車両運搬具等です。
土地や、長い意味で投資用に買った投資有価証券も入ってきます。
これらはすぐに現金化できないものがほとんどです。
当然、建物や車両、機械も売ればお金にすることはできますが、大体は売ったらマイナスになります。1億円で買った工場を次の日にやっぱり辞めようかなと売っても、1億円で買う人はいないわけです。
もう少し安く7,000万円や6,000万円だったら買ってもいいよという人は出てくるかもしれません。
例えば自分が家を買ったとして、1年住んだらめちゃくちゃ価格は下がりますよね、2,000万円で買った家が、1年経つとおそらく1,500万円ぐらいになってしまいますし、200万で買った車の場合も1年経ったら、下手したら100万くらいの価値に、売る時にはなってしまいます。
でもその車というのは、そのまま乗っていればもっと使用価値があるわけです。長く5年10年で乗っていれば、いやもっと100万円以上の価値は自分としてはあるよねというのが固定資産なんです。
この固定資産というのは、自分の持っているお金で
その資産を買うことによって、その資産が将来的に自分の会社の収益を生んでくれるもの、という考え方にしていただいた方がいいですね。
工場についても、工場自体に価値があるわけではなくて
工場で生産して販売するっていう自分たちの付加価値をつけて利益
をもたらすものですので、それで固定資産がどのくらいだよと
いう風に見ていきます。
最後に繰延資産ですが、あまり使わないので簡単に説明すると
会社を最初に作る際に使った創立費等が繰延資産です。
逆に今度は負債や純資産ですが
先に純資産から説明します。純資産は株主損と言って返済不要の
自分で持ってきたお金ですので、これは多い方がいいです。
次に流動負債があります。
流動負債というのは、短期的(1年以内)にお金を返さないといけない負債のことです。この流動負債が多いと、すぐにたくさんのお金を返さないといけないということですので、流動負債が多いか少ないかというのはすごく大事なんです。
先ほど流動資産(短い期間でお金にできるもの)の話をしましたが、例えば、流動資産が1万円しかないのに、流動負債が100万円あるとすると、すぐに100万円返さなきゃいけないのに、手元には1万円しかない状況ですごく危ない会社ですよね。
みなさんも、手元に1万円しかない人から、来月100万円返すから100万円貸してくれって言われても、いやいやこの人大丈夫かな~と思いますよね。
そういう理由から、流動資産と流動負債の比率というのはすごく大事です。
さらに固定負債がありますが、こちらは長期的に返していくものです。
住宅ローンも借り入れてから、すぐに1年で全額返せということには
ならないです。10年、20年、30年と時間をかけて返していきますので
固定負債というのは、すぐには返さないが、将来的には返すという長期で借りたお金のことです。
流動比率
先ほどもお伝えした、この流動比率がとても大事になってきます。
すぐに返済すべき負債(流動負債)に対して、すぐに現金化できる資産(流動資産)の割合が流動比率ですが、
これは流動資産と流動負債を比べるということです。
流動比率が高ければ、会社の短期的な支払い能力が高いと言えます。
手元に100万円の流動資産(売掛金とか現金)があり、負債としては買掛金や短期の借入金が10万円ある場合は、すぐ返せますよね。
全然お金を返せなくてどうしよう、というようなことにはならず安全です。
これが流動比率です。
流動比率を出すには、流動資産を流動負債で割ります。
流動比率(%)=流動資産/流動負債 ×100
やはり、この流動比率をよくする、つまり
流動負債の割合に比べて流動資産を高めに持っておく、資金繰りがしっかりできているかどうか、ということがすごく大事です。
実は固定資産はたくさんあったとしても、その固定資産がきちんと動いていないということが結構あります。これを見て銀行側も、ここは資金繰りがすごく悪いな、なんでこうなってしまったんだろう、この会社の収益力は低いなと見られてしまうパターンも結構ありますので
やはりなるべく流動資産を手元に持っておく、そうすればいろんな
ものにさらに投資できるわけです。
良い製品はできたけど、売れないので広告を打ちたいという時に
資産がないから広告打てないということにもなりかねないので
なるべく流動資産は手元に持っておくことが大事です。
長期でお金を借りて手元に現金をたくさん置いておくというのも一つの手です。その辺りも考えて経営をしてみるのもいいのではないかと思います。
債務超過
債務超過ですが、資産の合計と他人の資本(人から借りている借り入れ)が多くなってしまうという状況です
手元に工場等含めても1万円分の価値しかないのに、借金が10万円ありますというのは、結構きついですよね。
結構投資をすごくしてしまったり、ずっと赤字が続いてしまった会社が陥るというわけです。
資産の合計>他人資本 になっていれば、自分の手元分もあるし、自分のものを全部手放せば返せるので、それなりの会社ということになります。
資産の合計<他人資本 になっていると、自分の手元がもう全然なくて借金まみれの状態です。会社の保有している財産をすべて処分しても借金を全額返済できない状態です。
現金やら全部含めても100万円しかないのに
借金は1億円もある、どう考えたって返せない、この状況になってくると利子さえもきつくなってくるんです。
ビジネスっていうのは自分の資産を使っていかにお金を増やすかということなので、手元の資産がない状況で借り入れの方が多いっていうことは、収益・利益を出すことができないという状況に陥ってるわけです。この状況にまでなると、下手するともう辞めてしまって、ゼロから始めたほうがいいような場合もあります。
ですので、そこは今は税理士さんがついているのであれば、本当に
このまま続けて行ったほうがいいのか、それとも1回清算してしまったほうがいいのか、そういうことも話し合いながら検討したほうがいいと思います。
自己資本比率
あとは自己資本比率です。
先ほども言いましたが、どのぐらい安全かということです。
保有する資産のうち、返済しなくてよい資金がどのくらいあるかを見る指標です。
自己資本比率が高ければ、借り入れが少なく健全な経営ができていることになります。
自己資本比率の計算式は
自己資本比率(%)=自己資本/総資本 ×100 です。
大体自己資本比率は3割を目指そうと言われています。
逆に無借金経営の会社というのは、自己資本比率がほぼ100%ということです。ただし、無借金の会社が本当にいいのか
当然お金に困ることはないって条件
自分のお金で1億円を持っていれば、お金には困らないし
すぐには潰れないでしょう。
でも、本当にそれが一番その会社にとってベストな状態かどうかわかんないですよね
例えば100万円しか持っていないとしたら、その100万円の資産を運用して利益を出すんです。
例えば10%で運用した場合、10万円の利益が出るとします。
でも、もし1億円借りてきて、1億円で10%で運用したら
1,000万の利益が出るんです。
利益率が1%かかったとしても、それでも900万円利益が出るんです。
ビジネスというのは、手元のお金・リソースをいかに運用してプレイ上のリターンを得るかっていうところに限りますので
必ずしも無借金経営がいいっていうわけではないんです。
実はある程度借りて、さらにそこからより多くの収益を得るほうが
いいという場合もあります。
自分の会社にとって、どういう自己資本の比率になっている状態がベストなのかということを、検討しながらみなさんの会社の経営に活かしていただければと思います。

私たちは、単に税金の計算をするだけの箱入り税理士事務所ではありません。
「どうやったら、経営基盤を安定させられるか」
「どうやったら、売上を伸ばせるのか」
「どうやったら、より多くの利益を残せるのか」
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このようなあなたの会社の課題を解決するために、独自のサポート体制を構築しています。
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